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鳥取伝統芸能アーカイブス
運営主体/NPO法人プロデュース・ハレ
監修/鳥取県教育委員会
協力/鳥取県内各市町村教育委員会
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芸能の地域:鳥取市
因幡の傘踊り
[ いなばのかさおどり ]

旱魃から救った仁平翁への鎮魂踊り  
外回し傘踊りの元祖横枕

[ ジャンル:舞踊・盆踊り ]

芸能の由来・沿革

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因幡の傘踊り
300年ほど昔の雨乞い祈願が起源とされる。ある夏に異常な干ばつに見舞われて、田畑はひび割れ、農作物は枯死寸前となった。その時、老農夫仁平翁が横枕神社で冠笠に幣をつけ、三日三晩精魂込めて踊りを奉納したという。満願成就を果たしたその夜、沛然として大雨が降り、田畑を潤した。村人たちは喜び、感謝し仁平翁のもとに集まったが、仁平翁は過労のために倒れ、ついには帰らぬ人となってしまった。翌年の盂蘭盆になると、老若男女が手に冠笠を持ち、仁平翁の霊前に供養の踊りを納めた。その後に天下泰平、五穀豊穣、平和発展を願う踊りとして、振付の改良を重ねながら、今日の長柄の傘、勇壮な衣装で行う踊りとなった。なお「鳥取しゃんしゃん祭り」の「しゃんしゃん傘踊り」は横枕傘踊り保存会・高山柳蔵によってアレンジされ創り上げられたものである。また、近隣の長瀬、西谷、伏野、今在家、野坂、日野郡江府町貝田、北海道・釧路にも教えた経緯があり、外回しの傘踊りの元祖となっている。
 

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伝統芸能について

文化財指定

鳥取県指定無形民俗文化財 指定年:昭和49年10月18日

公演場所・時期

8月14日、19時から30分ほど横枕公民館前にて一斉踊りを行い、その後初盆宅に行き踊りを行う。また、老人福祉施設「あすなろ」「はまゆう」などでも定期的に公演を行っている。
公演時期: 8月

演目・時間

「三番叟」「貝がら節」「因幡大津絵」「浪花節」「さわり」「草津節」ほか多種。1曲につき3~4分。舞台では3曲で15~20分。

演目詳細

対の踊りがあるため、踊り手は基本的に偶数で6~16名。歌1名、横笛が1名の構成。踊り手の服装は忠臣蔵・四十七士のような義士装束で脚絆、白鉢巻、白襷を身に着ける。傘は長柄の大傘で金銀の短冊と大小百数十個の鈴で飾られている。最初の曲目は基本的に「三番叟」で、歌に合わせて舞台下手から踊り手が順に舞台へと進んでいき、掛け声を出して踊り始める。また2曲目は「貝がら節」であることが多い。踊り手の役割は、傘を刀に見立て傘を打ち下ろす「打ち」とそれを受け止める「受け」に分かれており、曲中に「打ち」「受け」が入れ替わることもある。高低一対の変化を見せて踊るのが特徴である。また、歌の文句に合わせ、速く勇ましい踊りからゆっくりした踊りなど様々に演じられる。隊列は基本的には1列だが、前後に分かれ2列になったり、円になる演目もある。

演目の見所

「打ち」と「受け」の切り合い、立ったり座ったりの役割が交互に変わっていくところ。

演者配置図

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ホームページ

お問合せ先

組織名:鳥取市教育委員会 文化財課
住所:〒680-8571 鳥取市幸町71番地(5階)
TEL:0857-30-8421

参考資料

『横枕雑記』 『因幡の傘踊り資料集』因幡万葉歴史館(2004/10) (株)郷土出版社著:「鳥取・岩美・八頭ふるさと大百科」(2008/7)


交通アクセス

地図

アクセス(交通手段)

JR鳥取駅から日ノ丸バス神戸・横枕線「横枕」バス停下車、徒歩0分。車の場合鳥取駅より県道43号線(岡山方面)→今町2丁目(交差点)で県道21号線へ→千代大橋西詰(交差点)から県道42号線→5km先、右折し県道227号線に入る。

駐車場

県道227号線から猪の子川を渡り横枕集落に向かう渡川橋周辺に駐車スペースあり



保存団体について

団体名

横枕傘踊保存会



保存伝承の取り組みについて

会員外へ向けての取り組み

美和小学校5年生から文化祭で踊りたいという意思があり、小学校から指導を依頼されたことがあり、2時間ほど指導したことがある。新規募集について、以前は高卒後に踊りを教えていたものだが、昨今は市外に出ていくことも多く、会員内で声掛けをする程度。小学校指導もあり、現在は小学3年生の男子児童が2人参加している。



外部公演について

外部公演の是非