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鳥取伝統芸能アーカイブス
運営主体/NPO法人プロデュース・ハレ
監修/鳥取県教育委員会
協力/鳥取県内各市町村教育委員会

芸能の地域:日南町
多里田植唄
[ たりたうえうた ]

さげの話術も軽妙に  
昔ながらの花田植を再現

[ ジャンル:唄・音楽 ]

芸能の由来・沿革

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多里田植唄
昭和はじめから昭和16年頃まで旧来の田植え唄は行われていた。花田植は当時の婦人たちを中心に、習俗の有様を後世に残すことを意図して創作されたといわれている。
中国地方の山間部で、太鼓・笛・鉦(かね)などを鳴らしながら行われていた。盛装した牛10頭、代かき・さげ(太鼓)共に10人、早乙女も20人~50人位は集まったと言われている。
経済的な負担が大きく、戦争などにより昭和26年に途絶えたが、昭和35年に現保存会が結成され、復興への活動を開始。
平成15年、島根大学の学生たちが、多里地区の水田で手植えを始めたのを機に、古来伝統の花田植を毎年催すようになった。

伝統芸能について

公演場所・時期

5月第二日曜(H25/5/12)、島根大学生が参加し花田植を行う。
10~12時に田植えを行い、昼食に「はしま」というおにぎりなど郷土料理の振舞いがある。
水田の場所は絹谷澄雄さん(日南町新屋466)所有の水田。国道183号線沿いの絹谷さん宅より水田への案内あり。
公演時期: 5月

演目・時間

「苗取り唄」5分、「午前の唄」10分、「午後の唄」10分でひと区切りだが、いずれも作業時には歌い続ける。

演目詳細

さげ(太鼓兼歌い手)が2名、鉦1名、牛、鋤役、かじろべえ、苗さばき、早乙女(田植え時多数、ステージでは12名)。
農作業の役割はステージ規模により人数が変わる。衣装は絣の着物に赤い帯、赤いおこしで頭には豆絞りにした手ぬぐいを被る。
演目の流れは田植え作業と同じになっており、まず、牛を連れた代かき(鋤役)、かじろべえ(代かきの後にさらに平らに均す役)が舞台を回り、続いて苗さばきが出てきて苗を投げ分ける。鍬役が方言をうまく生かした会話で観客を沸かせるなどし、その後、早乙女たちが登場。鋤役や苗さばきが綱引きとなり、田植え唄を唄いながら踊る。
主にさげが歌い、早乙女が返し唄を続ける。歌詞の中には「田植えは腰が痛くて大変だけど終わったら米子に遊びに行こう」という内容や農業や物価など時事についての皮肉のようなアドリブも盛り込まれているなどおもしろおかしいものになっている。

演目の見所

実際の田植と同じように、始まりから終わりまでの農作業が盛り込まれ、唄とアドリブを含む軽妙で滑稽な会話・時事の皮肉などを交えて展開される構成になっている。

演者配置図

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ホームページ

芸能団体活動報告

お問合せ先

組織名:日南町 教育委員会教育課
住所:〒689-5292 鳥取県日野郡日南町霞800番地
TEL:0859-82-1118

参考資料

鳥取県編「中山間地域における地域の宝・地域力事例集」(2010/04)
鳥取県教育委員会著「鳥取県の民俗芸能」(2005/03)


交通アクセス

地図

アクセス(交通手段)

JR伯備線「生山」駅、町内バス新屋行き「旧新屋」バス停下車、絹谷さん宅すぐ、水田へは徒歩5分。
車の場合米子西IC→国道180号線→国道183号線

駐車場

水田横に駐車スペース多くあり



保存団体について

団体名

多里田植唄保存会



保存伝承の取り組みについて

会員外へ向けての取り組み

島根大学生物資源科学部の授業過程として田植えの体験・指導を行う。新規募集は青年団の集いで女性に声を掛ける



外部公演について

外部公演の是非