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鳥取伝統芸能アーカイブス
運営主体/NPO法人プロデュース・ハレ
監修/鳥取県教育委員会
協力/鳥取県内各市町村教育委員会

芸能の地域:鳥取市
江津神社麒麟獅子舞
[ えづじんじゃきりんじしまい ]

緩急をつけながらも  ゆっくりとした眠り獅子

[ ジャンル:麒麟獅子舞 ]

芸能の由来・沿革

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江津神社麒麟獅子舞
鳥取県東部の因幡地方に伝わる「麒麟獅子舞」。江戸時代のはじめに、初代藩主の池田光仲(みつなか)が曾祖父の徳川家康の分霊を祀った因幡東照宮(現鳥取東照宮)を創した際に、祭礼の芸能として創始したと言われている。江津神社の舞も、この流れをくむ「権現流」とされている。江津神社は武甕槌命(たけみかづちのみこと)を祭神としており、かつては「武王大明神」と称されていたとされるが、獅子の舞は静かな動きを基本としており、猛々しさはそれほど感じられない。\n江津神社の獅子の起源は定かではないが、平成16年の頭の修復の際に文化二年(1816年)という製作年と仏師山本利助という製作者の名前が墨書されているのが確認され、少なくとも、その頃から舞われていたと考えられる。
 

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伝統芸能について

公演場所・時期

獅子舞を、春祭り(例祭)と秋祭りの年2回奉納している。これまで春祭りは4月22日、秋祭りは10月22日と決められていたが、平日での祭りの挙行が困難となったため、現在ではそれぞれの日付に近い(多くは前の)日曜日としている。\n祭り当日の朝午前8時頃に神社で本舞を奉納してから、一軒ずつ門舞いしていく。(約140戸)。全戸を回った後で宿(現在は公民館に固定)に戻り、本舞を奉納して終わる(午後2時頃)。
公演時期: 4月、10月

演目・時間

本舞:神社・宿それぞれ各30~50分 門舞い(通称三分舞):1軒あたり1分程度

演目詳細

猩々1名、獅子2名、座方(太鼓1名、鉦1名、笛2~4名)。猩々、獅子および座方含め、全て同じ衣装でまわる。衣装の色は袴、法被、脚絆が赤で帯は黄色。足下は白足袋にわらじを履く。なお、わらじは、緒、乳、かえしの全てに障子紙を巻いて用いる。本舞は、先導の猩々で始まる。猩々が、獅子の斜め前に立ち、ジグザグに3回進んで獅子を誘導する。猩々は酒に酔って獅子をからかう「道化」であり、ふらつくような動きに味わいがある。獅子は猩々の後を追って、同じようにジグザグに、前に3回進む。猩々がここで脇に逃げるが、獅子はさらに前に1回進む。この後、前を向いたまま、進んできた逆のコースを4回下がる。最初の位置にもどったところで、それまでの小刻みな前進と打って変わって、頭を左右に大きく振りながら、大きく飛び跳ねるように左斜めに5歩前に進む。この激しい動作を「ドコドコ」と呼んでいる。この後はジグザグに4回下がり、続いて2回目の「ドコドコ」で右前に大きく5歩進む。この後も静かに4回下がるが、そのうち2回には、「すねつき」という、地べたに座り込む動作が入る。下がるのが終わると舞の終了となる。獅子の動きは、「眠り獅子」と呼ばれるように、ゆったりとした動きを基本としている。(獅子頭も目を閉じている)動いてるのがわからないくらい、ゆっくり動くほど良しとされる。

演目の見所

ゆっくりとした動きを基本としながらも、要所で頭を大きく振って向きを変える動作が入る。この際、同時に後ろが、カヤを激しく上に捲り上げる。この緩急の取り合わせが味わい深い。

演者配置図

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ホームページ

お問合せ先

組織名:鳥取市 教育委員会文化財課
住所:〒680-8571 鳥取市幸町71番地(5階)
TEL:0857-30-8421

参考資料

野津龍著:「因幡の獅子舞調査録」  (H9/7)


交通アクセス

地図

アクセス(交通手段)

JR[鳥取」駅のバスターミナルから、路線バスを利用し「中央病院」で下車。江津神社は中央病院の北西に位置している(バス下車して徒歩10分)。なお、獅子宿の江津公民館は、神社から北に200m進んだところに位置している。

駐車場

江津神社には鳥居に向かって左側に10台程度の駐車スペースがある。江津公民館には駐車スペースが無い。



保存団体について

団体名

江津獅子保存会



保存伝承の取り組みについて

会員外へ向けての取り組み

外部への取組みは行っていない。一方で、江津の新興住宅地化が進み、戸数が増えつつあることから保存会への新規加入の呼びかけを継続的に行っている。



外部公演について

外部公演の是非

参加・体験

不可