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鳥取伝統芸能アーカイブス
運営主体/NPO法人プロデュース・ハレ
監修/鳥取県教育委員会
協力/鳥取県内各市町村教育委員会

芸能の地域:鳥取市
江波の三番叟
[ えなみのさんばそう ]

「鶴と亀、乙女の羽衣、天下泰平」  
県無形民俗文化財の舞

[ ジャンル:舞台芸 ]

芸能の由来・沿革

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江波の三番叟
「三番叟」というのはもともと能の「式三番」で千歳・翁に続いて三番目に舞う狂言の役名(江波三番叟は千代、頭取、二番叟、三番叟の4名)。歌舞伎・人形浄瑠璃にも取り入れられ、序幕の前の祝儀舞としても舞われたほか、病気平癒・安産祈願として舞われた。江波では安永2年(1773年)に大阪の商人(橋本兵吉)から教わった、と伝えられているほか、一説には960年頃、村上天皇の時代にさかのぼり、安和の変で都を追われた天皇の息子が大山を目指していたとき、江波を安住の地として住みつき、滞在中都の生活を忍んで三番叟を舞った、4年後に江波を離れる際に世話になった村人に三番叟を教えた、という説もある。昭和37年までは午後10時ごろ三番叟が終わると、夜通しで続けて歌舞伎が披露されていたが、現在は行われていない。三番叟は戦中戦後の混乱期も含め約240年間一度も休むことなく奉納の舞として続いている。
 

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伝統芸能について

文化財指定

鳥取県指定無形民俗文化財 指定年:平成6年4月19日

公演場所・時期

毎年10月22日江波神社祭礼 、氏子宅を一軒一軒訪問し、神楽獅子舞を披露、清めたのち夜間に上演される。神社には明治に建てられた(100年前)回り舞台があり、そこが上演会場となる(以前は毎年仮小屋を建て、そこで上演されていた)。現在は10月22日に近い日曜日(平成25年は10月20日開催)。
公演時期: 10月

演目・時間

1時間

演目詳細

役者は祭礼当日夕方から準備にとりかかる。(1時間30分程度・役者の家族総出で衣装の着付けや化粧を施す)区長が氏子宅の獅子舞終了の合図をすると、それとともに神社へと向かう。
上演の時間になると境内にはたいまつが焚かれる。
最初に獅子舞と花籠が登場し、拝殿の周りを3回まわる「宮めぐり」が披露され、のち獅子舞を披露。そして三番叟が披露される。
登場する役者は4名(千代・頭取・二番叟・三番叟)。そのほか、進行役を務める座元が6名(平太鼓1名・小鼓2名・笛2名・拍子木1名) 舞台は第1段から5段まである。それぞれ役者が太鼓や笛や囃子に合わせ舞を披露する。

演目の見所

小中学生がしっかりと化粧をし、着物、袴をまとい、セリフを言い、扇子、鈴を使いながら舞うところ。口上の中に「鶴と亀、乙女の羽衣、天下泰平」といっためでたい言葉が入っているところ。特に最後の三番叟の舞の中で大きく上体が床に着くほど背をそらす舞いを行うところ。

演者配置図

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ホームページ

芸能団体活動報告

お問合せ先

組織名:鳥取市教育委員会 文化財課
住所:〒680-8571 鳥取市幸町71番地(5階)
TEL:0857-30-8421

参考資料

野津龍著:「鳥取県祭り歳時記」山陰放送 (1985/06)鳥取県教育委員会製作「鳥取県文化財調査報告書」第19集 鳥取県教育委員会製作「鳥取県の民俗芸能」(1993/03)八頭郷土文化研究会著:「新編八頭郡誌・八頭郡のくらしと民俗」(1996/5)


交通アクセス

地図

アクセス(交通手段)

JR因美線「因幡社」駅から車で20分。「用瀬」駅より日ノ丸バス(日ノ丸自動車)、江波赤波線「江波」バス停留所下車、徒歩3分。車の場合、鳥取自動車道(無料区間)用瀬IC出口→県道49号線→鷹狩駅(交差点)を右折し国道53号線→安蔵(交差点)を右折し県道118号線を7.5km。

駐車場

当日臨時駐車場あり、江波広場。



保存団体について

団体名

江波三番叟保存会



保存伝承の取り組みについて

会員外へ向けての取り組み

江波集落に伝わった歴史・文化財の意味についての学習会などを開催している。



外部公演について

外部公演の是非