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鳥取伝統芸能アーカイブス
運営主体/NPO法人プロデュース・ハレ
監修/鳥取県教育委員会
協力/鳥取県内各市町村教育委員会

芸能の地域:江府町
貝田荒神神楽
[ かいだこうじんかぐら ]

高い技術の神歌・舞は必見  
江府で備中神楽を伝承する菖風社

[ ジャンル:神楽 ]

芸能の由来・沿革

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貝田荒神神楽
近隣にある下蚊屋の峠は伯耆と作州の通り道であった。当時の林業従事者は材木を求めて中国山地を転々と移住していたが、冬の大雪で足止めを食うことも多かった。
作州の人たちは春・秋は故郷に帰り祭事を行うが、冬、故郷から離れた地では菩提寺もなく、神道の人が多かったこともあり、正月などは神楽を行っていたという。
始まりの時期は定かではないが、菖風社代表の佐藤誠さんによれば、60年ほど前には近隣地域などですでに神楽は行われていたという。
その後15~16年ほど途絶えていた時期があったが、その当時の青年団が余興として神楽を再開。貝田においてはもともと神楽が根付いていた土地ではなかったが、佐藤さんのおばが広島県比婆郡小奴可村(現庄原市)に嫁いだ先のおじに佐藤さんが神楽を習い、昭和49年に菖風社を設立した。
そのため備中神楽の流れをひいており、奉納する神楽であり、農閑期の娯楽でもあった。
菖風社に刺激を受け、下蚊屋の荒神神楽も復活したなどあったが、菖風社は以来、現在に至るまで活動を続けている。
 

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伝統芸能について

公演場所・時期

定期公演はなし。20年ほど前には毎年8月17日の江尾十七夜に出演していた。
公演時期: 不定期

演目・時間

「杵築能」2時間、「八重垣能」2~3時間、「玉藻の前」2時間、「猿田彦」30~40分など

演目詳細

14~15名で演目を行い、表で演目をするもの以外は裏方の役も兼ねている。
楽器は太鼓と笛があり、演者と呼吸を合わせながら楽を入れる。演者は登場の際、社中旗の後ろに小幕を引き、さらにその後ろで神歌を歌って舞った後、高天原と地上の境目である小幕の下をくぐり、名乗りを挙げて舞台に登場することになっている。
神歌を歌って舞う基本舞いでは右手に扇子、左手に幣を持ち、道場の清めも含んでいる。
演者は面を被っているが、舞いは激しい動きを伴うため、途中で面をとることもある。その他、大国舞、恵比寿舞、浦安の舞など組み合わせたり、リクエストに応じて、個々に舞を披露することもある。また舞台演出ではドライアイスや花火を用い、大蛇の目が光ったり、口から炎を吐く演出などもある。
【杵築能】
いわゆる「国譲り」のお話。経津主、建御雷の両神が大黒様に国をよこせとやってきた。大黒様と事代主は国を譲ってもいいと承諾したが、息子の建御名方は最後まで反対し、両神と戦うことになる。
【八重垣能】
いわゆる「大蛇退治」のお話。須佐之男が高天原から下りてきたところ、老夫婦の足名椎、手名椎に助けを求められた。7人の娘を大蛇にとられ、残る稲田姫もじきにとられてしまうと。須佐之男は神である自分が人を助けるにはそれなりに理由が必要になる。それでは稲田姫と嫁にくれ。そうすれば、大蛇退治が義姉の仇を討つことになる。そして大蛇退治に向かった須佐之男は三種の神器である草薙の剣を出して大蛇を退治した。
【玉藻の前】
朝鮮から白キツネが天皇の命を狙おうと妃に化けてやってきたという話。玉藻御前に化け、天皇にとりつき毒を盛るが、陰陽師がこの妃があやしいと問い詰める。八咫鏡(やたのかがみ)の上を飛ばさせ、正体を暴く。
【猿田彦】
降神の儀で神が地上に降りる際、地上が汚れているから、先払をし、地上を清めておけと猿田彦は天の命を受けたことを表現した舞。刀や長剣を振りかざすなどの舞を披露する。

演目の見所

本家の荒神神楽関係者が菖風社の舞を見て、その技術の高さに驚いたほどである。また一般的には「杵築能」の鬼(建御名方)退治や「八重垣能」の大蛇退治の場面が見所。

演者配置図

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ホームページ

芸能団体活動報告

お問合せ先

組織名:江府町 社会教育課
住所:〒689-4401 鳥取県日野郡江府町大字江尾475
TEL:0859-75-2005

参考資料

鳥取県立博物館HP(映像)
野津龍著:「鳥取県祭り歳時記」山陰放送 (1985/06)
新修江府町誌(2008/6)


交通アクセス

地図

アクセス(交通手段)

無し

駐車場

無し



保存団体について

団体名

荒神神楽保存会「菖風社」



保存伝承の取り組みについて

会員外へ向けての取り組み

江府小学校合併前の米沢小学校(4~6年生対象、小学生用にアレンジしたもの)、日野産業高校「郷土芸能部」に指導歴あり。新規募集活動はなし。



外部公演について

外部公演の是非

参加・体験

不可