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鳥取伝統芸能アーカイブス
運営主体/NPO法人プロデュース・ハレ
監修/鳥取県教育委員会
協力/鳥取県内各市町村教育委員会

芸能の地域:鳥取市
岡益麒麟獅子舞
[ おかますきりんししまい ]

現存最古室町時代の獅子頭
静かにゆっくりと猩々を睨む  

[ ジャンル:麒麟獅子舞 ]

芸能の由来・沿革

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岡益麒麟獅子舞
鳥取県東部の因幡地方に伝わる「麒麟獅子舞」。江戸時代のはじめに、初代藩主の池田光仲(みつなか)が曾祖父の徳川家康の分霊を祀(まつ)った因幡東照宮(現鳥取東照宮)を創した際に、祭礼の芸能として創始したと言われている。舞い方は「権現流(東照宮のことを権現さんという)」。  因幡万葉歴史館には室町時代16世紀と推測される現存最古の麒麟獅子頭として岡益稲荷神社の獅子頭が展示してある(保護文化財指定)。推測の域ではあるが、池田光仲が麒麟獅子舞を創始した以前から中国由来の麒麟獅子を模した獅子頭が存在していたのではと考えられる。岡益稲荷神社の例祭は明治の初めあたりでは旧暦二月初午に行われており、これが本来の祭礼日となる。戦時中に衰退していた時期もあったが、昭和32年の獅子頭の保護文化財指定を経て昭和38年、お年寄りの記憶をもとにしながら、獅子舞を復活させた。
 

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伝統芸能について

文化財指定

獅子頭が鳥取県保護文化財に指定 指定年:昭和32年2月6日

公演場所・時期

3月第二日曜(H25/3/10)午前7時30分頃から準備し、8時頃に岡益稲荷神社拝殿で奉納舞(本舞)、9時30半頃より岡益集会所(本舞)→自治会長宅(本舞)→右まわりに氏子廻りを行い17時頃終了。
公演時期: 3月

演目・時間

「本舞」7~9分、「ひとつ飛び」5~7分、「ネリ」5分

演目詳細

獅子2名、猩々1名、太鼓1名、鉦1名の構成で笛は用いない。獅子頭は赤い色で鼻先が割れていないところなど、特徴的なものである。蚊帳は朱色で背中に黒い線が入り、前後に幣をつけ、尾役は黒の尻尾を被る。獅子役と猩々の衣装は共通のもので赤の上下に白足袋・草鞋履き。猩々は赤の面を横に被り、髪は茶色、赤い棒と赤い瓢箪を持っている。座方は黒の羽織、黄土色の袴を着る。
舞いは全体を通じて基本的にはゆっくりしたものであり、頭役は重い獅子頭を頭に乗せず腕で支えるなど、体力を要するため、他の麒麟獅子舞にくらべて舞う時間が短くならざるをえない。「本舞」はまず猩々が左右に3回飛び、獅子も猩々とは逆の左右に飛び、猩々の方を向く。この時に注意しなければならないのが、獅子は獣であり、猩々を常に睨んでいることである。そのため、左右に頭を振る際にも鼻先や目は常に猩々の方に向いた状態で頭を動かしていかなくてはならない。この飛びが終わると猩々は両手を広げて待機し、獅子のみがネリ→オリ→ヒキズ(3回)→ネリの順に舞っていく。ネリは左右に首を振る所作。オリは片足を上げて静止し、頭をクルッと反転させ上から下へと下げていく所作。ヒキズは手を伸ばし前に突き出した頭を徐々に後ろへ引き込んでいく所作である。
「ひとつ飛び」は「本舞」最初の猩々の飛びが1回になるものであり、「ネリ」はネリ→ヒキズ(3回)→ネリで構成され、主に氏子廻りで舞われる。なお、岡益稲荷神社、岡益集会所、自治会長宅では本舞が舞われ、氏子廻りでも氏子の所望があれば、「本舞」「ひとつ飛び」などを舞う場合もある。氏子廻りでは狭いながらも玄関の中で舞うところが特徴的である。

演目の見所

最初の飛びとオリで上から頭を降ろしていくところ。頭を反転させて上から下に降ろすのが岡益ならではのものである。また獅子頭が重いながらも、ゆっくりと舞うのが上手な舞いである。

演者配置図

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ホームページ

芸能団体活動報告

お問合せ先

組織名:鳥取市教育委員会 文化財課 
住所:〒680-8571 鳥取市幸町71番地(5階)
TEL:0857-30-8421

参考資料

『岡益麒麟獅子舞:ふるさと文化再興事業』(岡益麒麟獅子舞保存会) 
『国府町郷土読本「ふるさと国府」』(国府町教育委員会) 国府町誌(1987)


交通アクセス

地図

アクセス(交通手段)

JR山陰本線「鳥取」駅から日ノ丸バス中河原線で「岡益橋」バス停下車、徒歩5分ほど。岡益石堂に向かって右側の道を10~20m上がったところの右手に岡益稲荷神社(簡素な鳥居等のみ)がある。

駐車場

県営岡益駐車場、市営岡益駐車場に計50~60台ほど駐車可



保存団体について

団体名

宝山会(ほうやまかい)



保存伝承の取り組みについて

会員外へ向けての取り組み

外部指導はなし。新規募集は地元の20歳以上の男性に声を掛けている。



外部公演について

外部公演の是非

参加・体験

不可