芸能の地域:北栄町
■北条砂丘水くみ唄
[ ほうじょうさきゅうみずくみうた ]
「嫁殺し」と称された重労働
砂丘の女性を伝える哀歌
[ ジャンル:舞踊・盆踊り、唄・音楽 ]
芸能の由来・沿革
|
北条砂丘水くみ唄 |
「嫁殺し」と表されるほど過酷な重労働だった砂丘地の水くみが、北条砂丘では昭和30年代まで行われていた。
焼け付く砂に水をかけて作物を作ったため、すり鉢のような浜井戸から日に何度も水を担ぎ上げ、水かけをしなければいけなかった。その作業は女の仕事であり、浜に来た嫁にとって、泣くほどつらい作業だったと言われている。
その様子を踊りにした「北条砂丘水くみ唄」が昭和53年、旧北条町の「ふるさとを愛する運動」という文化活動で作られた。
数年前まで民踊教室で踊られていたが、北栄町婦人会が継承し、現在は「水くみ唄の会」として活動している(歌詞は昭和53年に水くみ唄選定委員会で12番まで選び、作曲は地元の森田嘉昌氏にお願いした)。
動画アップロード
動画アップロード
伝統芸能について
公演場所・時期
北栄町の公民館祭(毎年2月ごろ北栄町大栄農村環境改善センターで開催する)にはだいたい毎年出演している。そのほか、とっとり食のみやこフェスタにもほぼ毎回出演している。
公演時期:
不定期
演目・時間
1番~12番、フルコーラスで5分
演目詳細
もともと昭和53年に唄が完成した当時は「コーラス曲」としての色が強く、町内の合唱団が歌っていたが、平成9年の夢みなと博覧会をきっかけに踊りをつけ、ステージで披露するようになった。
衣装は絣の着物 帯は黄色と赤の2種類 水くみをする一連の動作を踊りの中に盛り込んでいる。
また、実際に水くみに使用した桶を一人は持ち、砂丘での水くみの様子を再現している
踊りの振りにも労働(水くみ)の所作を取り入れ、一連のつらい水くみをしている女たちの様子を描いている。
砂丘水くみ唄にはナレーションがあり、ステージ前には必ず演出として読んでいる。
以下ナレーション
北条砂丘に嫁殺しがあった
昭和三十年頃まで続いた
焼けつく砂に水をかけて作物を作った
すり鉢のような浜井戸から日に何回も水をかつぎ上げた
その水かけは女の仕事だった
浜に来た嫁はその辛さに泣いた
いま砂丘は水を得て生きている
嫁の涙はスプリンクラーの水に消えた
若い世代はあの苦しみを知らない 知る必要もない
ただ緑いっぱいに生きている砂丘の歴史を
ここに住む人びとは知らねばならない
「水くみ唄」は浜に住む人びとの生きざまを語り継ぐ史であり 詩である
演目の見所
ステージでは必ず演目にとりいれているナレーション~唄~水くみの様子再現のセットで楽しめる。
演者配置図
ホームページ
お問合せ先
組織名:北栄町 教育委員会生涯学習課
住所:〒689-2292 鳥取県東伯郡北栄町由良宿 423-1
TEL:0858-37-5871
参考資料
無し
交通アクセス
地図
アクセス(交通手段)
JR山陰本線「由良」駅下車、徒歩5分。バスの場合日本交通北条線「由良駅前」バス停留所下車。車の場合国道9号線→県道167号線。
駐車場
隣接する北栄町役場大栄庁舎の駐車場。
保存団体について
団体名
北条砂丘水くみ唄の会
保存伝承の取り組みについて
会員外へ向けての取り組み
学校・地域と連携して子どもたちに指導するなど伝承活動に努め、公演で披露して今後も積極的に活動していく。
外部公演について
外部公演の是非
可
参加・体験
不可
水くみ桶のしくみ等を知ってもらうなど、今後検討してみたい。
備考
備考